チグリス川とユーフラテス川の間で発展したメソポタミア文明では、世界最古の法典、そしてビールやワイン、暦など現代社会においても広く利用されたいます。

メソポタミアは、チグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野であり、現在のイラクに相当します。メソポタミア文明はその非常に肥沃な土地に生まれた文明を総称する呼び名で、文明の初期の中心となったのはシュメール人です。南部バビロニアの下流域であるシュメールから、上流の北部のアッシリアに向かって文明が広がっていきました。
メソポタミア文明が私たちに残してくれた嬉しい遺産は、なんといってもビールやワインなどのお酒です。それらはメソポタミアでシュメール人によって作られ、後にシリアや周辺地域へ広まっていきました。

ビールは紀元前四千年の頃、偶然にできたものと言われています。ワインに関する文献として最も古いものは、紀元前4千〜5千年頃の出来事をシュメール人が書いた、古代バビロニアの英雄誌「ギルガメシュ叙事詩」と言われています。古代バビロニアの王ギルガメッシュが、船大工たちに赤や白のワインをふるまったという記述があり、現存する文献の中でお酒に関する最も古い記録ということになります。さらにハンムラビ法典でも、酒の量をごまかしたら死刑になる等、ワインの取引に関する決まりが書かれており、飲みすぎてはいけないという記述もあるそうです。
現存する最古の法典は、ハンムラビ法典よりおよそ350年程度古いウル・ナンム法典で、メソポタミア文明のウル第三王朝・初代王ウル・ナンムによって発布されたものです。ハンムラビ法典は「目には目を、歯に歯を」で有名ですが、ウル・ナンム法典では現代同様に、被害を金額に換算する損害賠償に重点が置かれているのが特徴です。
その他、1週間を7日に設定し、現在の時間の単位に用いられている六十進記数法が作られたのもメソポタミア文明です。そして暦と共に発達した占星術は、当時とは違った形で現代人に広く利用されています。