インダス川流域で栄えた古代文明をインダス文明といいます。建築技術やインフラ設備などの高度な技術が遺跡調査からわかっています。

インダス川周辺に栄えたインダス文明は、考古学上はハラッパー文化と呼ばれ、パキスタン、パンジャブ州のハラッパーを標式遺跡とします。インダス文明が最も栄えたのは紀元前2600年から紀元前1800年の間です。その文明を構築したドラヴィダ人は、紀元前13世紀ごろに起きたアーリア人の侵入によって、一部が南インドに移住しました。
モヘンジョ・ダロやハラッパーなどの遺跡を調査してわかったことですが、インダス文明はとても高度な計画都市や建築技術を生み出したことで有名です。その都市は綿密な都市計画によって作られ、周囲を城壁で囲み,排水施設と整え、市場や倉庫、公衆浴場なども設けられていました。
その文明の、文化的な遺産として最も有名なものはヨガです。ヨガの起源は4000〜5000年前のインド・インダス文明にあるとされ、モヘンジョダロ遺跡やハラッパの遺跡からは、座法を組んで瞑想を行っている人物の印章が見つかっています。これがヨガの起源であり、瞑想している姿がヨガのルーツだといわれております。
さらに最近エステティック業界などでもその名が広まっている、アーユルヴェーダもここで始まりました。それは5千年以上も前から伝わる伝統医学であり、世界保健機構(WHO)によって、中国の漢方と同様に「世界三大伝承医学」として推奨されています。 西洋医学が病気の症状を取り除く治療医学であるのに対し、アーユルヴェーダは長寿や若さ、健康を保つことを目的とした予防医学です。

しかし通常の文明からはたいてい残されているのに、このインダス文明の遺跡からは発見されていないものが2つあります。それは武器と、王族など特権階級のための宝飾品です。他人を傷つける道具を持たない優しさと、誰もが平等であるという公正さが、インダス文明の見えざる資産なのかもしれません。